四季

2006年5月15日
森博嗣作。講談社ノベルズ。春・夏・秋・冬の4部構成になっていて、時代が徐々に下っていく・・・。

と書きたいのだが、この作品。主人公真賀田四季の思考を描いているので(と私は思っている)、時代が飛んでいるのだ。春・夏はスムーズに行くが、秋・冬は時系列が行きつ戻りつしているので結構取っ付きづらい。ミステリーファンの間でも難解と言われているだけのことはあるのよねぇ。多分四季の体は、S&Wシリーズの主人公西之園萌絵がドクター在学中のころにあると思う。で、思考だけが飛び火する。それこそ5歳から100年後の未来まで。彼女のシュミレーションが語られているだけだと思う。

「四季4部作」の最大の謎は、冬冒頭の犀川と四季の面会だと私は思うが、これは四季の頭の中のシュミレートであって、実際には会っていないんじゃないかな?それが一番無理がないような気がする。

「四季4部作」を読んでの最大の感想。どんなに才能豊かな子供であっても、子供らしい子供時代を過ごすことが大事。またそういう風に育てることが親の最大の責任であるということ。四季が子供らしい子供時代を少しでも送ることができたら、ただの「天才」で終わったかもしれない。その後の不幸はなかったかもしれないということ。

これは私の感想なので、これから読まれる方はぜひ自分なりの結論を導き出して欲しいものです。

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